2020-01-03 サンマ(2) 「よくやった!」 彼は喜んでくれた。それで良かった。それで良かったはず。 でも彼に抱かれても記憶は上書きできないよ。 「・・・風。」 熱いままの身体で、一人でいる。彼のいない部屋で。 外から、あの日と同じコンクリートを撫でた風が吹く。 彼のためだったのだから、それでいいと。そう思えず涙が流れた。 「コーヒー、冷めちゃったな・・・」 「一緒に飲みたかったな・・・」 「もうすぐクリスマスか・・・」