サンマ(2)

 

「よくやった!」

彼は喜んでくれた。それで良かった。それで良かったはず。

でも彼に抱かれても記憶は上書きできないよ。

 

「・・・風。」

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熱いままの身体で、一人でいる。彼のいない部屋で。

外から、あの日と同じコンクリートを撫でた風が吹く。

 

 

 

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彼のためだったのだから、それでいいと。そう思えず涙が流れた。

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「コーヒー、冷めちゃったな・・・」

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「一緒に飲みたかったな・・・」

 

 

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「もうすぐクリスマスか・・・」