MAKOA(12)
何時間経ったのだろうか。
もうすぐ夜が明けそうだ。また1日が始まる。
何もしたくなかった。何も考えられなかった。
考えないようにしていたことが、不安となって押し寄せてきていた。
そんな時、ピィーッと声がして体を大きく揺さぶられた。
・・・イルカだ。こんな時間に?
自分から寄ってくるなんて珍しいな。
いつもゴミを拾って泳いでいるからイルカは近づかないし、俺も危ないからとイルカを避けていた。
なんだ?なにか言いたいのか?
水面を必死に叩いている。俺を陸へ追いやろうとしているみたいだ。
・・・・・
彼女だ!