MAKOA(11)
ただ過ぎる日々。今日も彼女に続く海へ出る。
いつものように海に浮かんだゴミを集めていると見覚えのあるものを見つけた。
あの日のランタン・・・!!
慌てて拾って陸へと戻った。間違いない。俺の字だ。
空にかざすとあかりが灯り、彼女が書いたことも見えた。
「どうか安らかに。」と丁寧に書かれた字の下にかすれるような字で願いが書いてあった。
「生まれ変わったらマコアくんの横でレイをつけたい」
レイは、、、うちの村では花嫁だけがつけられるものだ。
「結婚したい」とは言わないところが彼女らしいと思った。
彼女のことだから書くことさえ躊躇った願いだったんだろう。
そのままランタンは風に流されるように空へと戻っていってしまった。
何をしていても涙が溢れる。
彼女はいつから俺を見ていたのだろうか、リリアナにレイをかける俺を見ていたのだろうか。
「水の中では泣けないんだよ。」彼女の言葉が浮かぶ。
水の中では泣けない、、、か。
嘘だな。
海は涙の味がする。きっといつも泣いていたんだろう。
彼女は思いをランタンに乗せて、俺の事を忘れていくのだろうか