それから(2)
季節は過ぎてスラニにも冬の気配が近づいてきた。
ナニのお願いごとは、しばらくしてようやく彼女に言えた。
彼女は驚いた顔をした後、嬉しそうに笑った。
「ナニちゃんが・・・?」
「そっか・・・」
そして少しだけ表情が曇る。
いいのかな、そう思っていることが伝わる。俺も同じ気持ちだから。
そして、ある日。
「マコアくん、あのね、話があって・・・」
「なに?どうした?」
「えーっとね・・・・・・」
「なに?なにかあったのか?」
「あったはあったんだけど・・・」
昨日、仕事から帰ると家にいなかった。そんなこと初めてで気になっていた。
彼女は優しく微笑んでいて、とりあえずは悪い知らせではないようだ。
「昨日、、、病院いったの。」
「どこかわるいのか?」
「ううん・・・」
「これ・・・見て?」
「ん?」
白黒の写真・・・・・
これは・・・
「えへへへ・・・・・」
「3人分食べなくっちゃ///」
「セレニティー・・・」
「ナニちゃん喜んでくれるかな?」
「喜ぶよ…絶対喜ぶ。」
「俺が一番嬉しい・・・」
「マコアくん…」
「ありがとう・・・」
あの日も、ここで2人で泣いた。こんな日が来るとは思わなかった。
家族を裏切り島を裏切り、それでもあの日の決断を俺は一生背負いながら、どんなに責められても最低でも、、一生守り抜くよ。