MAKOA(2)
あの日、ずっと話した。どうにかして引き止めたくて柄にもなく色々話した。
助けてくれてありがとうってこと、自分のこと、、、そして家族のこと。
「俺の名前は、」「・・・マコアくん?」
・・・彼女は全部知っていた。
驚いて彼女を見た時、その目を見た時、
こんな俺でもすぐに全部分かった。彼女がずっと前から俺を知っていることを。
そして、少し家から離れたあの海岸が俺たちのいつもの場所になった。
【手をとった時 その繋ぎ目が 僕の世界の真ん中になったよ あぁだから生きてきたのかって 思えるほどの事だった】
俺は、、、こんなに簡単に家族を裏切れるような男じゃないと思っていた。
いや、そんなことすらも考えることのないまま過ごしていた。
知らなかった新しい世界にただひたすらに没頭した。
彼女に会うために毎朝起きて 彼女に会うために夜は明日を待った